Code for History

"Code for History"はIT技術を歴史学上の問題の解決に使うコミュニティです。強調したいのは、我々にとってIT技術は「手段」であって「目的」ではありません。「目的」は歴史学上の問題を解決する事であって、必要であればITでない手段も活用します。常に最優先なのは、問題を解決することです。

Maplatのキーワードは、Strolyでは実現不可能な「非線形全単射投影の保証」

Maplat会津若松版をSotM会津若松で宣伝したいと思って、現地で売りを列記したチラシを配布しようと思ったのだけど、念のため運営に確認したら、スポンサー代を払わないと現地でチラシは配れないと。
スポンサー代調達しようかとも思ったけど、やっぱキツかったのでそれは断念。
代わりにMaplatのTシャツを作って現地で着て歩くことにした。
チラシでならいろいろとMaplatの売り、できることだの何だのてんこ盛りにしようと思ってたんだけど、Tシャツだと一発で見た人が興味持ちそうなこと書かないといけない。
で、何にしようかと思った時、一瞬でひらめいた。
古地図座標系と正確な地図座標系の間の「全域(−∞〜+∞)」で、「非線形全単射での投影変換」が「保証」されること。
これしかない。

英語で書くと、"Guaranteed nonlinear bijective projection"。
ちずぶらりに合流する前のマピオン時代から、8年越しで古地図を扱う技術として実現したかったことで、Maplatでも、ここ1ヶ月ほどでやっと実現できるようになった性能。
Maplatで実現できていて、Strolyで実現できてないことは山ほどある。
リアルタイムでの古地図と正確地図の重ね合わせ。
Webでの、方角と地図スケールの重ね合わせ。等等。
が、どれも、その差が生まれたのは開発担当者の能力の違いであって、技術ポテンシャルの根本的な差異ではない。
ぶっちゃけ、リアルタイム重ね合わせは、インパクトの割に正直言うと「虚仮威し」だし、方角と地図スケールの重ね合わせは、Stroly側でも俺が残してやったスマホ版では実現できている。
Web版Strolyで実現できていないのは、ぶっちゃけ開発者の怠慢、あるいは能力不足でしかない。
今の三流開発者に取って代わるような、超一流開発者がStroly社に入れば、あっという間に覆される優位。

それらに比べて、「非線形全単射での投影変換」は、原理的にStrolyでは絶対に実現できない機能。
どんなに優秀な技術者が入っても、「StrolyがStrolyであること(つまりは、今の特許取得対象技術)」を捨てない限りは、原理的に絶対できない(できると主張する奴がいるなら、そいつは数学ができないアホ)*1

Strolyが誇りとしている「特許を取得しているという事実」、その請求項に示されている手法では論理的に絶対にできないことだから、この優位は絶対にStrolyから覆されることはない。
また、Strolyの特許技術で原理的に実現できないことをこちらが実現していると言う事実は、とりもなおさずこちらがStrolyの特許を侵害していないという証拠にもなり、Strolyがこちらにスラップ訴訟等を起こす可能性に対する、最高の防御にもなる。
この売りを前面に出さない手はない。

また、全単射投影保証が実現できていると言うことは、とりもなおさずGISで重要なトポロジーの保存なども保証されると言うことだ。
つまりは地籍図の変換など、遺産や税金など大きなお金が動くセンシティブな分野でのGIS利用とも融合できる可能性が出てきたと言うことだ。
古地図連携技術が数奇者のおもちゃだけでは終わらなくなったことも意味する。
ここに未来がある。

今後Maplatを売り込む時は、「非線形全単射投影の保証」を前面に推して売りだしていきたい。

*1:というか、Stroly社が取得している特許5810411号の請求項2と請求項9は、原理的に全単射実現できないStrolyが、少しでも「全単射っぽく」見せかけるための技術で特許が成立している。この特許の存在自体が、Strolyが全単射できないことと、全単射の重要性、そしてそれを実現したMaplatの有用性の証拠になっている。

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