Code for History

"Code for History"はIT技術を歴史学上の問題の解決に使うコミュニティです。強調したいのは、我々にとってIT技術は「手段」であって「目的」ではありません。「目的」は歴史学上の問題を解決する事であって、必要であればITでない手段も活用します。常に最優先なのは、問題を解決することです。

株式会社コギトの社長、開発部長、法定代理人に内容証明を送付しました

以前ブログでとりあげた

blog.code4history.dev

こちらの件、及びその後こちらがとったアクション

www.value-press.com

などで、Maplatを利用してambula mapを開発している株式会社コギトともめておりますが、このたび、同社社長と開発部長に内容証明を送付しました。
また、本当に偶然なのですが、社長に送付した日の翌日、開発部長に送付した日の午後に、コギトの側からも、法定代理人から内容証明が届き、それに対しても即日内容証明で返信しました。
その内容について、こちらで公開いたします。
いずれも1時間くらいは推敲に使ったつもりだったのですが、にもかかわらず特に法定代理人に送ったものは文章が主語述語の繋がりがおかしなところがあったりして恥ずかしいのですが、内容証明で送った内容を、文章がおかしいからといって勝手に修正するわけにもいかないので、そのまま掲載します。
コギトから送られてきた内容証明についても、ブログで公開してよいか確認中ですので、その確認が取れましたら公開いたします。

コギト社社長への内容証明

株式会社コギト太田社長
古地図ライブラリMaplatを開発しております、任意団体Code for Historyの大塚と申します。
お世話になります。

御社は、上記弊団体が開発しております古地図ライブラリMaplatを利用して、古地図絵地図アプリambula mapを開発しておられます。
が、オープンソースで提供しておりましたこのライブラリに対して、あまりにも一方的に使うだけでコミュニティへの貢献がなく悪質なただ乗り(フリーライダー)利用者として振舞われるので、最新版以降のMaplatおよびその関連ライブラリについて、完全なオープンソースライブラリとしての公開を停止し、御社を名指しで利用を全面禁止する措置を実施させていただきました。
本件のプレスリリース:
http://bit.ly/maplat_license
実際のライセンス文言:
http://bit.ly/maplat_license_txt
当然のことながら、単に利用するだけではなく、ソースコードの閲覧、参考にするなども一切禁止させていただいております。
ですので、過去のライブラリを使っている限りは、飽くまで法的には問題はありませんが、セキュリティ対応、OSのアップデート対応などで過去のライブラリが動かなくなり、更新が必要となった場合に、当方のライブラリを更新したり、参考にしたりした場合は法的に権利の侵害になりますので、その点を明確に確認しておきたく、本内容を送らせていただいております。
単にライブラリ利用の著作権違反というだけではなく、当方本ライブラリの実現に必要な特許も取得しており、その特許の利用権付与もライセンス内に含まれておりますので、知的財産権レベルでの法的権利侵害になりますので、その点ご認識いただければ幸いです。

また、前述の通り、過去のライブラリを使っている限り、オープンソースライセンスですので法的には問題ありません(例外もあり後述しますが、私が私側も被害をえる覚悟で、骨を切らせて骨を断つアクションを起こさない限りは、基本問題ありません)。
ですが、私がMaplatをオープンソースで公開していた理由は、私1人では限界のあるMaplatの開発を、誰でもそれから利益を得られるオープンソースにして公開することで、逆に広くMaplatへの協力を集めて開発力を向上させることを目的として公開していたものです。
御社のように、Maplatの利用で、商用の利益を得ておきながら(ここで利益と申しているのは、既に黒字になっているいないを指しているのはありません、当然ながら)、いっさいコミュニティに貢献を返さないような利用を許すためにオープンソースにしたのではありません。
御社が今のような利用をされているのは全く私の望むところではありませんし、むしろ御社がただ乗りで、私が資金と時間を費やして開発した成果で、本来私がやりたかったような事業をしているのを拝見すると、なんでこんな連中においしい思いをさせるために自分の資産を投入してきたのかとモチベーションは下がる一方で、ただちに利用を停止していただきたいと考えております。
オープンソースの理念から見ても、御社の利用は常軌を逸しております。
http://bit.ly/opensource_phil
法的には問えませんが道義的に、即座にMaplatを利用した商売を停止いただくことを、Maplatの全ての著作権特許権を持つ者の立場から要求させていただきます。

要求事項としては以上ですが、念のためこれまでの御社と弊団体との関係を整理させていただきます。
当初、御社臼井氏が弊Maplat技術を見つけ、私に協力を求めてこられたのが関係の始まりです。
私としては、御社に協力すれば、その見返りとして御社より様々な協力が得られるものと期待して、その申し出をお受けしました。
「様々な協力」とは、法人も立ち上げていない私一人ではできない様々な活動への御社の助力、たとえば私の協力者への定期的な商用タスクの発注や、私一人では獲得できない顧客相手向けの、提案や受注後の編集や企画に関わらせていただけることなども期待してのものでした。
むしろ、私個人として興味があるのは顧客向けの提案や編集、企画であり、それを獲得するための手段として開発を行っており、ですので私の開発した製品を誰かに使ってもらえればそれで嬉しい、で済むものではなく、それを梃子として提案や企画などの案件に関われなければ、私としては意味がないことになります。
そういった経路に繋がるものとして御社に協力を行いました。
それ以降の経緯は、こちらの記事にまとめております。
http://bit.ly/cogito_is_enemy
当方としては、嫌だと伝えたのに御社に強いられた条件を受け入れての開発のみならず、個人的に持っていたノウハウを随時提供してまで御社に全面協力してきたつもりですが、御社からは一切、それへの見返りとしてのコミュニティへの協力、貢献が本当に一切ありませんでした。
対価を支払ったとおっしゃられるかもしれませんが、記事にも書いた通り、それはこちらとしては一旦断ったにも関わらず強いられた開発に対する実働費用であり、それを嫌々でも引き受けたこと自体が御社への協力の一環であって、実働への対価が当方への協力に当たることには一切なりません。
その後の、クローズソース利用期間中の特許権利用料として支払っていただいた費用についても、名目は知的財産権への使用料であって、コミュニティへの貢献では全くありません。
私個人内の気持ち上の扱いとして、御社から一切ギブ&テイクのテイク部分がないのに業を煮やして、最低限取れる額を分捕って無理やり対価とみなして協力返礼を期待するような関係を断とうと考えた結果、要求した額であることは否定しませんが、それは私個人の中での気持ちの扱いの話であって、名目は全く異なる以上、御社側がそれをもって対価を支払ったなどと言えるものではありません。
そもそも、知的財産権への使用料といいつつ、私が特許権を取得するために支払った諸費用を満たすものにすらなっておりません。

とはいえ、御社のambula mapの立ち上げ時に特別に協力したことについては、御社が一切誠意を見せなかったためこちら側が強引に違う名目で代金をいただくことによって、私の中の気持ちとして一旦納得をつけたつもりではありました。
ですが、御社はその後、2年にわたりMaplatを用いた事業を展開し、商用利用での利益を得ているにもかかわらず、オープンソースを利用するならば当然要求される貢献を一切返してこられませんでした。
オープンソースの利用には対価は義務ではありません。
が、先に提示した記事にも示されているとおり、「なぜオープンソースが無償で利用することが出来るのか。それは無数のボランティアやコミュニティに支えられているからだ。スポンサー企業がつく場合もある。そういう支援の上で始めて無償で使うことが出来る」ものであり、「公開のソフトウェアに対して、何ら公開の貢献アプローチを取らないことは恥ずべきことだ」というものが、オープンソースを利用する際のコンセンサスです。
実際に世の中にはただ乗りでオープンソースを利用しているような会社はいくらでもありますが、そういったものはもう世の中で認知されていて枯れている、既に大規模なコミュニティができていて少々フリーライダーがいたところで開発も滞らないような製品でこそ許されるものです。
Maplatのように、個人が余暇に持ち出しで開発しており、ろくに他の利用者も協力者もいないような製品で、最大の商用利用者である御社に、大きな顔をして当然のようにただ乗りされると、あっという間にモチベーションも枯渇して潰されてしまいます。
ましてや、先にも書いた通り、私が本当にやりたい事は開発そのものではなく、御社が今ambula mapの営業で行われている案件ごとの提案、企画こそがやりたいことだったわけですが、その私がやりたいことを、私が何年もの時間と何百万円もの費用を費やした成果を使って、それに何の成果も返さずにただ乗りしている御社が謳歌しているのを見ると、なぜこんな連中のために開発活動をやっているのだろうと、あらゆるモチベーションが失われて開発活動を止めたくなります。

なのでMaplatの開発を続けていくためにも、私は御社の今のただ乗り状態を絶対に許すことはできません。
しかし一方で、御社が過去の非道にちゃんと謝罪してくださり、改めて新しい関係を構築できる可能性はないかと考え、折を見て何度も御社に連絡させていただきました。
当然ながら、御社と私との関係で非があるのは一方的に御社ですので、こちらが下手に出るような表現の連絡は一切しておりませんが、当方としてはこちらからの連絡に対し、過去の非を認め何らかの謝罪の意と関係再構築の意思を伺えれば、関係を再考する可能性は十分にございました。
ところが、何度連絡しようとも、御社は連絡を黙殺するのみで、建設的に問題を解決しようとする意志はみられませんでした。
ことがこうなっては、当方としては既に、御社はまともに言葉が通じて交渉をできる相手ではないと判断いたしましたので、関係再構築ではなく、即刻御社によるMaplatの利用停止を要求いたします。

過去のバージョンで御社に特許権利用などを認めたライセンスはApache 2.0ライセンスですので、遡って法的に利用権を認めない状況にすることは通常では難しいです。
それゆえに、御社は安心して当方の糾弾を黙殺しておられるのかもしれませんが、残念ながら御社は完全に法的に守られているわけではありません。
ライセンスは飽くまで、Maplatの著作権者たる私及びCode for Historyと、御社との間の法的関係ですので、そこで利用権を認めている特許の権利者が、Maplatの著作権者と一致しなくなった時点で御社の特許利用権は、過去のライブラリ利用に遡って失われます。
つまり、これが先に書いた「骨を切らせて骨を断つ」手段ですが、御社がこの先も真摯な対応を行わないのであれば、こちらとしてはあらゆる不利益は甘受する覚悟で、他人にMaplatの特許権を引き渡す可能性があります。
その引き渡した第三者には、ライセンスによる縛りは発生しませんので、特許権侵害で御社と争うこともできます。
そのようなことになると当方にも多大な不利益が生じますので、そこまではできればしたくありませんが、御社が真摯な対応を行わないのであれば最悪そこまでのオプションがあり得ますので、ご認識いただければ幸いです。

最後になりますが、本内容証明の内容については、当方のブログで公開させていただきます。
以上、よろしくお願いいたします。

コギト社開発部長への内容証明

株式会社コギト塩野部長
Code for Historyの大塚と申します。
お世話になっております。

既にご存じだとは思いますが、御社が長期間オープンソースを利用されてきたにも関わらず、コミュニティ側に何らの貢献なしにただ乗りの状態を続けてこられたことを憂慮し、最新版以降のMaplatおよびその関連ライブラリについて、完全なオープンソースライブラリとしての公開を停止し、御社を名指しで利用を全面禁止する措置を実施させていただきました。
本件のプレスリリース:
http://bit.ly/maplat_license
実際のライセンス文言:
http://bit.ly/maplat_license_txt
当然のことながら、単に利用するだけではなく、ソースコードの閲覧、参考にするなども一切禁止させていただいております。
オープンソースへのただ乗りなど世に溢れている事例だと思われるかもしれませんが、そういったものはもう世の中で認知されていて枯れている、既に大規模なコミュニティができていて少々フリーライダーがいたところで開発も滞らないような製品でこそ許されるものです。
Maplatのように、個人が余暇で持ち出しで開発しており、ろくに他の利用者も協力者もいないような製品で、最大の商用利用者である御社に、大きな顔をして当然のようにただ乗りされると、あっという間にモチベーションも枯渇して潰されてしまいます。
また御社はその前の段階でも、Code for Historyと協力関係?にあった際に、一方的にこちらからの協力だけを搾取して、御社側から一切協力を返さなかった、という点での心象の悪さも影響して、今回の措置に至らせていただきました。

旧バージョンはApache 2.0ライセンスで公開しておりますので、私が特許権をライセンスに縛られない第三者に譲渡するなど相当の手段をとらない限りは、旧バージョンを使い続ける限りにおいて基本、御社にMaplatの利用差し止めを法的に強制することは困難です。
ですが、私がMaplatをオープンソースで公開していた理由は、私1人では限界のあるMaplatの開発を、誰でもそれから利益を得られるオープンソースにして公開することで、逆に広くMaplatへの協力を集めて開発力を向上させることを目的として公開していたものです。
御社のように、Maplatの利用で、商用の利益を得ておきながら(ここで利益と申しているのは、既に黒字になっているいないを指しているのはありません、当然ながら)、いっさいコミュニティに貢献を返さないような利用を許すためにオープンソースにしたのではありません。
御社が今のような利用をされているのは全く私の望むところではありませんし、むしろ御社がただ乗りで、私が資金と時間を費やして開発した成果で、本来私がやりたかったような事業をしているのを拝見すると、なんでこんな連中においしい思いをさせるために自分の資産を投入してきたのかとモチベーションは下がる一方で、ただちに利用を停止していただきたいと考えております。
オープンソースの理念から見ても、御社の利用は常軌を逸しております。
http://bit.ly/opensource_phil
法的には問えませんが道義的に、即座にMaplatを利用した商売を停止いただくことを、Maplatの全ての著作権特許権を持つ者の立場から要求させていただきます。
このことは御社社長に対しても、同様に内容証明で要求させていただいております。

また、御社と当方の関係がこの事態に陥ったことに対して、塩野部長の責任はきわめて大きいと当方は考えております。
当方の主張を完全に黙殺するなど、御社の事後の対応に多々不誠実な問題はあったとはいえ、最初のボタンのかけ違いはおそらく、御社がオープンソースの理念を勘違いして、ライセンス契約に含まれるかどうかなど関係なくオープンソースは利用する側にも相応の貢献を要求するものだと理解せず、単に道端に落ちているタダで使えるプログラム、タダで公開している理由も開発者の承認欲求程度のこと、と勘違いしたところから始まった程度のことではないかと思います。
ですが、臼井氏をはじめ技術者でない方々は最初にそのような勘違いをされることはある程度仕方ないところもありますが、塩野部長は技術に責任を持つ技術者です。
オープンソースの理念を知らなかったではすみません。
臼井氏をはじめとする方々が、間違った理解で間違った判断を下そうとしていた場合は、正しい理解でそれをいさめる立場が貴兄だったはずです。
もしご自分の責任を認識されるのであれば、今後は正しく判断いただければ幸いです。
当方の意をくんで、法的必要性はなくとも道義的にMaplatの継続使用停止を決断していただくか、あるいは最低限、この先ambula mapが動かなくなりMaplatライブラリの更新が必要になった際に、たとえ臼井氏あたりから「バレなければいいんだ、やれ」などと要求されても、ライセンス的に認められていない最新版Maplatの利用や、そのソースコードを覗き見ての剽窃行為などは拒んでいただける事を期待します、技術者としての良心があるのであれば。
技術者として、オープンソースの理念すら守れないのならば、最初からオープンソースなど使わずに自分で開発してください、ましてや特許権で守られている技術を使おうとするのならなおさら、自社で対抗特許を開発してそれで商売してください。
他者の提示している理念も守れないままに、他者の時間や資金の消費の成果の上におんぶにだっこで居座ろうとするな。

最後になりますが、本内容証明の内容については、当方のブログで公開させていただきます。
以上、よろしくお願いいたします。

コギト社法定代理人への内容証明

中島様

Maplatの著作権者であり知的財産所有者である大塚と申します。
以後よろしくお願いいたします。

行き違いになりましたが、当方からも受領日(2021年4月30日)の前日と当日の午前(本件受領前)、コギト社社長と技術部長に対し内容証明を送らせていただいております。
貴殿からの通達の受領前ですので、宛先が貴殿ではなく両職の方になっている点は了解いただけるものと存じます。
内容については煩雑になりますので両職の方にご確認ください。
本連絡では両内容証明の内容を把握しているものとして話をさせていただきます。

貴殿からの申し出ですが、「本件アプリが法的問題によりサービスの継続的な提供ができなくなるかのような主張」と書かれておりますが、

1) まず法的な点の話ですが、いずれのコギト社顧客への連絡に置きましても、当方は明確に現時点ではなく将来のことについて話しており、将来コギト社が継続的にサービスできなくなる危機に陥る蓋然性が高いことは明白ですので、当方は何ら虚偽だと言われるようなことは申しておりません。
将来の事ですので、その将来とは3年後のことかもしれませんし、明日の事かもしれません。
ただ一つ確実なのは、技術のわかる人間にとっては当たり前のことですが、「永遠にソースコードに変化を加えず動き続けるソフトウェア」など存在しないということです。
貴殿がその点に得心いただけない技術がわからない方でしたら、技術がわかる担当者に代わっていただけますでしょうか。
以後はこの部分には同意いただけるものとして続けますと、再確認しますが、「永遠にソースコードに変化を加えず動き続けるソフトウェア」など存在しません。
C言語ライブラリの根幹部分の枯れたライブラリなどであれば、その動かなくなるサイクルはほとんど気にしなくてよい10年以上などのサイクルでしょうが、頻繁に変わるモバイルOSの仕様変更やブラウザの仕様変更の影響を受けるJavaScriptのプログラムなどは、明日にも起きるかもしれない未知のOSアップデートで動かなくなる可能性は大いにあります。
そのような状況になった場合、当然オープンソースライセンスで提供している過去のライブラリから、ソースコードをアップデートしなければなりませんが、過去のやり取りの経験から当方の判断ではコギト社が誰の助けも借りずに、問題を解決できる可能性はきわめて低いという点です(これについては後ほど議論します)。
そうすると、私が提供している正規のMaplatに頼らざるを得なくなる可能性が高いですが、ライセンスの縛りでそれを利用する術はコギト社には開かれていません。
その意味で、いつかはわからない将来にコギト社がサービス継続できなくなる蓋然性は極めて高いですし、そしてその「将来」はいつ来るかわからない以上、3年後かもしれませんが明日かもしれません。
その次元での将来の極めて高い蓋然性を言及したのみであって、何ら虚偽にあたることは申しておりません。

もちろん、コギト社が自社で旧バージョンのソースコードを修正して問題を解決する可能性もゼロではありませんが、当方はコギト社社長、技術部長に送りました内容証明に詳細を論じております通り、こちらの主観では全く完全にコギト社側のみの責によって、同社を卑怯なことを行う主体とみなして、信頼を完全に失っております。
(この、コギト社が当方の信頼を損なうような行為の事実があったかどうかも、本やり取りでぜひ事実関係を争いたいところですので後述します)
コギト社が自社で解決したと主張されても、完全に信頼関係が破綻している現状では、ライセンスを変更したことで同社に対しては完全に禁止されている最新版の機能や実装などを参考にする行為で解決する疑いが全く捨てられません。
コギト社が将来にわたり不法行為を行うことなく自社で不具合の改善を行えると主張するのであれば、当方に対し何らかの証拠を随時提出(たとえば最も手っ取り早いのはソースコードの開示ですが、その他の手段であれ何らかの信頼の担保となるような)しなければ、当方としては当方の著作権特許権を侵害して問題を解決したと判断せざるを得ません。
また、正直に言いますと、実現している価値の高さは別といたしまして、お世辞にも私のソースコードは読みやすくも管理しやすくもありませんので、私のソースコードを途中から分岐して管理するようなことをするくらいならば、いさぎよくMaplatの利用を停止して、私の著作権特許権も侵害しない自分たちの技術を確立されることをお勧めします。
そうすれば当方よりガタガタ言われることもなくなりますので。

2) 次に、私はコギト社の顧客に対し、法的には将来的にサービスを継続できなくなる可能性を指摘したのみですが、確かに即座にサービス停止の話題についても言及しており、それについては明確に「道義的に即座の利用停止を要求する」と書いております。
つまり、即座に利用停止を要求するのは、コギト社の行った非道に対する道義的な要求であって、法的にコギト社が即座にサービスができなくなるとは一切言及しておりません。
当然ながら人の世は法的な判断だけで白黒つく問題ばかりではありませんから、当方はコギト社に道義的に非がある問題については、当然非難しますしその被害に応じて当方の著作物の即座の利用停止などの要求をコギト社に訴えると同時に、社会に対しコギト社の非道を訴えます。
コギト社としては、こちらが非道だと訴える事実関係に異議があるのであれば反論なさればいいですし、あるいは事実関係を認める認めない関係なく、将来はともかくただちに法的な問題さえなければ非道な行為をとっても問題ないと思われるのであれば、黙殺されればよいでしょう、貴殿から連絡が来るまでの間はこちらから何度異議申し立てをしても、1年以上ずっと黙殺してこられたように。
コギト社が問題ないと思えば黙殺する自由があるように、当方も問題だと思えば声を挙げる自由があります。
そこで当方が、明らかに事実と異なる事実関係を訴えたり、あるいはただちに法的問題がないにもかかわらず法的問題があるといったりというように、明確な虚偽の訴えをしたのであればともかく、あくまで道義的問題を訴えた限りにおいては、何ら貴殿から責められるような道理はないと当方は認識しております。

貴殿からの通信に対しての当方の見解は以上ですが、続いて中途で書きました、コギト社が当方の信頼を損なうような行為の事実があったかどうかについても話題にさせていただきます。
まず貴殿の理解を確認させていただきたいのですが、今回の場合問題になっているオープンソースの利用について貴殿はどのように考えておられるのかお聞きしたいです。
貴殿の専門である法的にはライセンスがすべてでしょうから、確かにApache 2.0ライセンスで公開していた以上、当方が特許を押さえていようと、後出しで特許権の行使を行うことはできません。
ですが、オープンソースにはオープンソースの世界の理念というものがございます。
http://bit.ly/opensource_phil
オープンソースを利用者による一方的な搾取にせず、皆の共有物としてともに育てていくためにも、利用者は道義的に利用によって得た利益に応じて、コミュニティに貢献を返す義務といっていいレベルのものがありますし、それを行わない利用主体は道義的に恥ずべきものとされています。
そのことについて貴殿の考え方を伺いたいです。
法的に問題がなければ何をやってもいいのでしょうか?
それとも、一般的にこの業界で通用している慣習としての義務は、ライセンスにないことであっても果たすべきこととお考えですか?

続いて、コギト社と当方の間に存在するいざこざの原因となった原因の事実認定について話題としたいと思います。
1. コギト社と私の間には過去の一時期、協力関係を結びましょうと言っていた時期がありましたが、その期間に当方は多数の協力をコギト社に対して行いました。当方としては当初引き受けたくないと意思表示した開発条件についても最終的に引き受けましたし、個人的に何年もの蓄積から得たノウハウに従って、無償で提供いたしました。単にこちらが勝手に提供しただけではなく、コギト社の方から主体的に、無償で援助してくれと要求されたこともあり、それに対して当方は応えました。このような当方からのコギト社への数多くの援助協力について、その存在を認めていただけますか?
2. それに対し、コギト社の方からは、協力関係でのギブ&テイクに相当する返礼としての当方への協力は、一切ありませんでした。この事実を認めていただけますか? Noの場合は、具体的に何を当方への協力として返していただいたか教えていただけますでしょうか。
3. また、その協力関係を結んでいた期間のみならず、その破綻した後の1年以上の期間も、コギト社はオープンソースの商用利用を継続して行い、利益を享受していたにもかかわらず、オープンソースの利益享受者ならば道義的に当然なすべきコミュニティへの貢献を怠ってきました。この事実を認めていただけますか? Noの場合は、具体的に何を貢献として返していただいたか教えていただけますでしょうか。

以上について回答いただきたいですが、当方の想定と異なる場合は議論に応じますが、もし当方の想定と同じ答えを返してこられる場合は、当方に「事実と異なる主張をするな」などと難癖をつける前に、コギト社としてまずなすべきことは何なのか、よい大人であれば判断できるのではないでしょうか。

さて、この先の落としどころですが、コギト社長への内容証明において、当方は「御社は完全に当方の信頼を失ったので、これ以上の議論の余地はないので、ただちにMaplatの利用停止をいただきたい」と言う旨の記載をしております。
が、これはコギト社側がこれまで、こちらが何度異議申し立てをしましても黙殺してきたため、何としても交渉の場に引っ張り出すために強いカードを切ったのみであり、今回どのような理由であれ貴殿が1年以上の沈黙を経てコギト社側から当方にコンタクトして参りましたので、もしこれを機に交渉の場を再度開き、過去の非をコギト社が当方に詫び今後について再交渉するのであれば、当方も普通に交渉の場につきます。
基本的に当方の主観として、法的にも道義的にも当方に一切の非はなく一方的にコギト社の側に非がある認識ですが、とはいえメールの文面が失礼であったとか、度重なる不信感が原因とは言え勘違いで激高してしまったこともあっただとか、その程度の非であれば当方にもあったことは認めることはやぶさかでありませんので、コギト社が今からでも誠意をもって対応いただけるのであれば、当方はいつでも関係改善する準備はできております。
どうされるかはコギト社様次第ですので、どうぞ賢明な選択をなさることを期待いたします。

最後になりますが、当方から貴殿への本返信内容については、当方のブログで公開させていただきます。
また、貴殿からの当方への連絡も、同様に公開させていただこうと思いますが、問題がありましたらご連絡ください。
5月いっぱい見解を待ちますが、その間に公開を断る意思表示をなされない限り、公開に同意いただいたものとさせていただきます。
また、今後の貴殿とのやり取りですが、そちらからは内容証明で送っていただいて結構ですが、当方、一個人ですのでいちいち内容証明郵便に高い費用を払っていられませんので、今回同様に当方の主張をこちらのブログに転載させていただき、そのブログの内容の魚拓をとることによって内容証明とさせていただきたく、通信そのものは普通郵便で送らせていただきたく存じますので、ご理解よろしくお願いいたします。

© Code for History